株式会社ケイファーマ(K Pharma, Inc.)

テクノロジーTechnology

再生医療

iPS細胞の医療応用への可能性

2007年、山中伸弥先生により、ヒトiPS細胞の樹立が発表されました。これにより、ES細胞を用いた再生医療の倫理的な課題がクリアされ、① 【細胞移植治療 /再生医療】iPS細胞から分化誘導した細胞の安全性を確認し、機能を失った、あるいは機能低下を来した部位に移植することで、特定の機能を回復させることが可能となり、②【 病態解明・薬効評価】疾患患者由来のiPS細胞を分化誘導した細胞と、健常人由来のiPS細胞から分化誘導した細胞を比較することで、病態メカニズムの解明や治療薬スクリーニング系への活用が可能となりました。

iPS細胞を用いた脊髄再生研究の経緯

慶應義塾大学では、マウス、ラット、マーモセットのそれぞれの亜急性期脊髄損傷モデルにおいて、ヒトiPS細胞から分化誘導した神経前駆細胞を移植することによって、運動機能の回復を示す有効な結果を見出しています。一方、慢性期脊髄損傷モデルにおいては、リハビリ等との組み合わせによる効果が確認されています。亜急性期脊髄損傷疾患を対象にした非臨床試験を進め、臨床試験開始に向け、鋭意準備を進めております。追って、慢性期脊髄損傷疾患についても、検討を進めております。

疾患特異的iPS細胞を活用した創薬研究

医薬品開発の意義

これまでの創薬研究においては、in vitroでの薬効評価を踏まえ、任意の疾患動物モデルでの薬効を確認し、ヒトへの外挿を行なってきました。そのため、ヒト臨床試験の成功確率は非常に低い結果になっていました。 患者様から頂いた血液細胞からiPS細胞を樹立し、疾患特異的なin vitroスクリーニング系を作製し、既存薬ライブラリー、または新規化合物ライブラリーから候補化合物を見出す方法が確立されました。この評価系は、ヒト病態を反映したものであり、従来の疾患動物モデルでの評価を介さず、臨床試験に進める可能性を示す、まさに、創薬研究の革新的改革であると受け止めています。

Drug repositioningについて

既に医薬品として認可されている化合物を、新しく確立した別疾患のin vitro評価系でスクリーニングすることで、新たな候補化合物を見出すことにつながります。 既存薬を使用するメリットは、安全性や薬物動態など、既存データが利用可能であることから、臨床応用への移行を加速することができることです。 in vitroスクリーニング系でのヒット率が高い反面、適応拡大での薬価設定として受け止められる傾向がありましたが、希少疾患における新たな薬剤としての薬価設定の概念が導入される可能性が期待されています。

神経難病研究

慶應義塾大学では、インフォームドコンセントのもと、神経難病患者様から頂いた血液細胞からiPS細胞を樹立し、病態解明を進めており、同時に新たな化合物スクリーニング系の構築を検討しています。製薬会社との共同研究で見出された化合物候補の臨床試験を着実に進め、一刻も早く患者様に届けることを目指します。