ケイファーマとアルフレッサ ファーマ、ALS治療薬として世界で初めてiPS創薬で見出したロピニロール塩酸塩の国内開発権・製造販売権許諾契約を締結
株式会社ケイファーマ(本社:東京都港区、代表取締役社長:福島弘明 以下「ケイファーマ」)は、このたび、アルフレッサ ホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:荒川隆治 以下「アルフレッサ ホールディングス」)の子会社で医薬品等製造事業を行うアルフレッサ ファーマ株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:島田浩一 以下「アルフレッサ ファーマ」)との間で、筋萎縮性側索硬化症(以下「ALS」)治療薬として、世界で初めて疾患特異的iPS細胞を用いた創薬研究(iPS創薬*)により見出したロピニロール塩酸塩の日本国内における開発権・製造販売権の許諾契約を締結いたしました。
本契約により、今後、アルフレッサ ファーマが日本国内におけるロピニロール塩酸塩を活用したALS治療薬の開発・製造販売する権利を有します。また、ケイファーマは本契約の対価として、契約一時金や開発の進捗に応じたマイルストンペイメントを、また、販売に応じたランニングロイヤリティを受領いたします。
ALSは、重篤な筋肉萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患で、運動ニューロン病の一種です。運動系が広範に障害され、特に錐体路について上位運動ニューロンと下位運動ニューロンの両方による徴候を呈します。極めて進行が速く、半数ほどが発症後3年から5年で呼吸筋麻痺により死亡します。治癒のための有効な治療法は現在確立されておりません。日本国内では、1974年に特定疾患に認定された指定難病で、患者数は約1万人となっております。
2018年12月に開始された慶應義塾大学での医師主導治験(ALS患者を対象としたロピニロール塩酸塩徐放錠内服投与による第Ⅰ/Ⅱa相試験)において、全患者が、最大量(16mg)を内服することができ、かつ、有害事象による内服の中止がなかったことから、ALS患者に対するロピニロール塩酸塩の安全性と忍容性が示されました。また、有効性についても、死亡または一定の病気の進行までの期間を生存期間として検討した結果、1年の試験期間に、病気の進行を約7か月遅らせる可能性が示されました。今後、本治験の結果を受けて、一刻も早く患者様に届けるために、アルフレッサ ファーマにおいて開発を加速してまいります。
ケイファーマでは、慶應義塾大学医学部生理学教室岡野栄之教授と同整形外科学教室中村雅也教授の研究グループで長年にわたり取り組んできた脊髄損傷等の再生医療研究、及び疾患特異的iPS細胞技術を用いた創薬研究(iPS創薬)の成果をいち早く医療現場に届けることを目指しております。そのため、iPS細胞を活用した脊髄損傷や脳梗塞を対象とする再生医療事業とALSを含む神経難病に対するiPS創薬事業の両事業を展開し、今後とも、アンメット・メディカル・ニーズ(有効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズ)の解決を実現し、医療分野での社会貢献を果たしてまいります。
*iPS創薬:患者様由来の細胞からiPS細胞を作製し、神経系に分化誘導した細胞を用いた表現型を構築し、候補化合物のin vitroスクリーニングを実施することで、薬剤候補となる化合物を効率的に見出すことができる世界的にも全く新しい創薬手法になります。特にこれまで開発が後回しになってきた希少疾患や難病での医薬品開発に有効な手法になることが期待されております。
■当社からのコメント
代表取締役社長 福島 弘明
「ロピニロール塩酸塩は、世界で初めてiPS創薬という手法により見出されたALS治療薬候補であり、慶應義塾大学での医師主導治験(第Ⅰ/Ⅱa相試験)にて極めて有望な結果を得ることができました。今後、アルフレッサ ファーマという素晴らしい提携パートナー様とともにさらに開発が加速していくことを大変喜ばしく思います。ケイファーマといたしましても、未だ有効な治療法のない神経難病や脊髄損傷、脳梗塞等に苦しんでいる世界中の患者様のために、一刻も早く、より有効な医薬品、再生医療等製品を届けられるよう全社一丸となって取り組んでまいります。」
株式会社ケイファーマについて
株式会社ケイファーマは、慶應義塾大学医学部発ベンチャー企業で、2016年11月に創業しました。2007年、京都大学山中伸弥教授によって発見されたヒトiPS細胞技術を活用し、脊髄損傷や脳梗塞等の再生医療事業、及び、神経難病等を対象としたiPS創薬(疾患特異的iPS細胞を活用した創薬)事業を進めております。世界中のアンメット・メディカル・ニーズを少しでも解消すべく、今後も、再生医療事業、iPS創薬事業を通じて、医療分野での社会貢献を進めてまいります。詳細はホームページをご参照下さい。
https://www.kpharma.co.jp/
アルフレッサ ホールディングス株式会社について
アルフレッサ ホールディングスは、医療用医薬品等卸売事業、セルフメディケーション卸売事業、医薬品等製造事業、及び医療関連事業を行うグループ会社の持株会社です。アルフレッサグループは、すべての人にいきいきとした生活を創造しお届けすることを「私たちの思い」として掲げ、安心・安全・誠実な事業活動に取り組んでいます。また、日本の医療を、流通をはじめとしたさまざまな面から支え、安定的な医薬品流通に加え、他企業との戦略的提携や事業領域の拡大を通じて、健康に関するあらゆる分野の商品・サービスを提供できる「ヘルスケアコンソーシアム」をめざしています。2022年3月期の連結売上高は2兆5,856億円、連結の従業員数は14,282名です。詳細はホームページをご参照下さい。
https://www.alfresa.com/
アルフレッサ ファーマ株式会社について
アルフレッサ ファーマは、アルフレッサグループの医薬品等製造事業を行う会社で「予防」「診断」「治療」の医療プロセスを総合的に見据え、医薬品、診断薬、医療機器を柱に事業展開しています。いまだ満たされない医療ニーズに挑戦し、卸売事業とも連携しながら研究・開発・製造・販売を行っています。詳細はホームページをご参照下さい。
http://www.alfresa-pharma.co.jp/
株式会社ケイファーマの概要
所在地 | 東京都港区六本木七丁目7番7号 Tri-Seven Roppongi 8F |
代表者 | 福島 弘明 |
設立年月 | 2016年11月 |
事業内容 | 再生医療等製品の研究・開発・製造・販売、医薬品の研究・開発・製造・販売 |
URL | https://www.kpharma.co.jp/ |
アルフレッサ ホールディングス株式会社の概要
所在地 | 東京都千代田区大手町一丁目1番3号 |
代表者 | 荒川 隆治 |
設立年月 | 2003年9月 |
事業内容 | 医薬品、医療用検査試薬、医療機器・用具の卸販売、製造販売、輸出入等ならびに調剤薬局の経営とこれらに附帯する事業を行う子会社の管理等 |
URL | https://www.alfresa.com/ |
アルフレッサ ファーマ株式会社の概要
所在地 | 大阪市中央区石町二丁目2番9号 |
代表者 | 島田 浩一 |
設立年月 | 1939年12月 |
事業内容 | 医薬品、診断薬、医療機器、医薬品原材料等の製造・輸出入・販売 |
URL | https://www.alfresa-pharma.co.jp/ |
大株主 | アルフレッサ ホールディングス株式会社100% |
【お問い合わせ先】
担当:ケイファーマ 取締役CFO 兼 経営管理本部長 松本真佐人
メール:masato.matsumoto@kpharma.co.jp